「The Big Issue(ザ・ビッグイシュー)」を買い始めて半年ほど経ちました。
この雑誌、ご存知の方も多いと思います。一言でいうとホームレスの方が仕事を作って、自立を応援する雑誌です。月2回(1日と15日)発行されています。
ホームレスの方が街角で手売りしているこの雑誌を1冊350円で購入することで、350円のうち、180円がホームレスの方に還元されるシステムです。
ビッグイシューについて
ビッグイシューは元々1991年にイギリスで始まり、日本では2003年の9月に創刊されています。創始者はジョン・バード氏。ボディショップの創設者、ゴードン・ロディック氏がニューヨークでストリートペーパーを売るホームレスの人を見て、それをビジネスにし、利益を還元することは可能かとバード氏に相談し、そこから生まれたのがビッグイシューということです。
ビッグイシューの基本アイディアは、セルフヘルプです。人は自分で成し遂げたという達成感によって自信を得、前向きに生きる力を得る、仕事は人々に平等を与える一番のツールだとバードは言います。彼は自身をも振り返りながら、問題の一部となったものが問題の解決策を担う、というのがビッグイシューの考え方であると語っています。
「ビッグイシュー日本 公式サイト」より
ホームレスの人々にへのチャリティではなく、自らの力で社会復帰を目指す仕組みを作ったのが、このビッグイシューのありかたなんですね。
なぜ買い始めたか
なんとなくです。以前からビッグイシューが街角で売られているのは知っていて、僕の好きなアーティスト「ビョーク」がドーンと表紙になっていたり、「中身ってどんなんなんだろう?」と気になってはいたのですが、正直勇気がなくて購入するには至りませんでした。
それからしばらく経ち、年とともに周りの目を気にすることもなくなり(笑)、新宿南口で一冊買ってみたのが始まりです。
中身を読んでみるとこれがなかなか面白い。
僕の好きなブロガーのイケハヤさんが興味深いコラムを載せていたり、「今月の人」のコーナーで、ホームレスの販売者にスポットを当ててその人の人生を知ることができたり、「ホームレス人生相談」のコーナーで読者の人がホームレスの方に悩み事を相談して月替わり(?)でホームレスの方がそれに答えたり。。。と雑誌自体は薄いものの、なかなか中身は濃くて読み応えがあります。
ちなみに最近の号の「今月の人」のコーナーで、僕がいつも雑誌を売ってくれる人が載っていて、その人について少し知ることができたので、嬉しい気分になりました。
どこで買えるか
日本全国の販売場所はビッグイシューのホームページから確認できます。
僕はこの記事を書くまで都内でしか販売していないかと思っていたのですが、都内、大阪を中心に全国に販売場所があるんですね。
ちなみに各販売場所では、販売日時が決まっています。天気やその他事情などで、必ず日時通りに販売されてないこともあるのですが、ホームページで確認してから行くと、「買いに行ったのにいなかった!」なんてことが少ないと思います。
買う理由は人それぞれ
どんな社会問題に対しても、人により思想が違うのは当然のことです。また、このビッグイシューの販売/購入について、社会問題に対するムーブメントと思うかどうかも人それぞれ意見が違って良いと思います。単にビッグイシューが面白いから買っている人もいると思います。ただ、そのような人もやはりホームレスの方から買うということについて何かしらは感じているかと思っています。
僕の場合は、正直ビッグイシューは読んでいて面白いけど、どうしても読みたいわけではないし、ホームレス問題について深く考察しているわけでもないです。実を言うと、一番最初にビッグイシューを買った時、その販売者の方が「なんとなく応援したくなるような人」だったからです。
また、「ビッグイシュー」という仕組みを作り出したことについても「面白いなぁ」と思ったし、その仕組みを使ってホームレスの方が自立を目指すことに対しても応援したいな、って気持ちでいます。
そして350円って、コンビニでお菓子買ってすぐなくなっちゃうお金なので、それであればお菓子を一瞬我慢して、その分を必要な人に回すことができたら、それはそれで良いことかなと思いながら、ビッグイシューを買っています。
まとめ
一日中外で、暑い日も寒い日も雑誌を売ることって大変だと思います。それでも自立を目指して継続してビッグイシューを売り続ける人には、敬意を称しつつも、一度買うと決めたら少なくとも一年間は毎回買い続けようと思っています。
ホームレスの方から雑誌を買うことに対して抵抗があったり、勇気が必要な方もいるとは思いますが、いつも歩いている道で販売されているのに気付いていて気になっている方は一度買ってみても良いかもしれません。
ホームレスになりたくてなっている人はいないし、明日は我が身かもしれません。そんな人たちに対して自分が使っているお金の極々一部を分け、自分も新しい情報を享受するという、ささやかだけど社会の循環の一翼を担うのは、自発的に出来る数々のことの一つとしては、素敵なことだと思っています。
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