キートンさんのR-1予選敗退とツイッターでの嘆きについての所感

ピン芸人のキートンさんが今年の「R-1ぐらんぷり」の3回戦で落選し、「ウケてたのに落とされた」と嘆きツイートし、運営側に対しネガティブな発言をしたことが話題になりました。

毎年R-1ぐらんぷりの予選を観に行くお笑い好きの僕としては看過できない話題なので、僕なりに思っていることを書いてみます。

まず、キートンさんは面白い

今年、残念ながらR-1ぐらんぷり3回戦を観に行ってませんが、キートンさんはセンスが良くて面白い芸人さんであることは知っています。テレビでネタを見る機会があって、「ああ、この人面白いな」と印象に残る芸人さんってそう多くはありません。キートンさんは紛れもなく、人を笑わせられる才能のある芸人さんです。なので今回のキートンさんのツイッターでの切実な発言を僕は真剣に受け止めたいと思います。

僕も毎月お笑いのライブを観に行ったり、賞レースを観に行ったりしていて、お笑いのことについては割と真面目に考えたりしているので「明らかに落とされるべくして落とされた芸人さんの嘆き」と、今回のキートンさんの件とは違うと思うのです。

ただ、キートンさんのネタの中には、真央ちゃんの真似のように「見ようによっては本人イジリ」に見える若干センシティブなネタもあって、そのイメージが少しでもある芸人さんなので賞レースでは扱いづらいのも事実な気もします。

R-1にかける気持ちは本気

「R-1で優勝しても売れるとは限らない」や、「賞レースに頼らないで実力で売れる努力を」なんて意見もあったりしますが、ピン芸人の一番の賞レースはやっぱりR-1ぐらんぷりです。目の前にあるレースで良い成績を残したい、勝ちたいという気持ちは本人にしかわからず、少なくとも観ている人には想像も及ばないほどの本気度で挑んでいるはずです。誰がなんと言おうと命懸けで挑んでいるピン芸人さんばかりです。芸人を職業としてやっているわけだから当たり前ですよね。そこにかける並大抵でない気持ちは、まず尊重したいし、尊重して欲しいと思います。

予選で落ちて嘆く芸人さんは実は結構いる

今回のキートンさんの発言はニュースになったりと随分バズって話題になりましたが、実は予選で落ちて「ウケたのになんで落ちたんだ」といった旨のツイートをする芸人さんて他にもいたりします。

例えば去年、ウエストランドの井口さんが「イチウケ(その日の予選で一番ウケたこと)」の評判だったのに落とされて、井口さんが嘆きツイートしたことは、「お笑い好き界隈」では随分話題になりました。

僕もちょうど井口さんのネタは観覧していて、実際に面白いネタでもあったし、会場も盛り上がっていたので「落ちて残念だな」と思うと同時に、なんとなく下で話す「政治の基準」を当てはめると落とされてしまうのかなぁとも感じました。井口さんはオリジナリティがある能力の高い芸人さんなのでM-1, R-1でこれからも頑張って欲しいです。

観ているほうは「残念だけど仕方ない」くらいに思えるかもしれませんが、本人にとってはたまったもんじゃないですよね。命懸けてやったネタが大ウケして、それで落とされるんですから。嘆くのも当然です。ただ、嘆く媒体がツイッターだったりすると、それをいろんな人が見るのでいろんな意見が出るのもまた当然なんですよね。

予選を観に行くと実感するかも

キートンさんの嘆きツイートがネットニュースになり、そのニュースだけを見た人はそれに対し様々な意見を持つと思います。キートンさんの発言に対しネガティブな感情を持つ人もいるかもしれませんが、実際に劇場に足を運び予選を観覧すると考えが変わる可能性もあります。

芸人さんが次々と登場し、2〜3分でネタをして、ウケたりスベったりして、時には会場にドカンと笑いが起きると、「この芸人さん面白いなあ」と好きになったり注目したりすることがあったり、なんとなく予選を通過するか落選するかがわかったりします。予選の日の夜、もしくは後日に結果発表があり、だいたい会場で感じた通りの結果になりますが、1〜2割は「あれ?ウケてたのに」や、「あれ?イマイチだったのに」みたいなこともあります。

キートンさんは、本人が「会場ではウケた」と言っているのでその通りでしょう。会場で観覧していたお客さんの多くも同じように感じたのだと思います。

こればっかりは、実際に観てみないとキートンさんに意見を言おうにも感情を持とうにも、想像の範囲でしかないので、興味のある人は予選を観に行ってみて、どんなものかを実感してみても良いかもしれないです。

審査員は審査員で板挟み

審査員の方々が、3回戦くらいからは明らかに「テレビ受け」を意識し始めるのも、また事実だと思います。「テレビ受け」とは、いわゆる「テレビ映え」する芸人さんか、旬な人なのか、売れる可能性・未来があるのか、テレビのコンプライアンスにひっかからないネタなのか、決勝の審査員や観客に受けそうか、さらには事務所やスポンサーの関係もあるかも等々、いわゆる「テレビの政治」的な要素が加わり審査が行われるようになり、ただ単に「そこにいる観客が笑った」というだけでは落とされる芸人さんが出てきます。

そもそもネタが面白いかどうかは至極主観的な基準なので、審査員にも好みがありますし、むしろこの政治基準のほうが審査はしやすかったりするかもしれません。

これは決勝をテレビで放映する以上は避けられない審査方法であり、エントリーする芸人さんもこの運営側の暗黙の審査基準を暗黙に了承しなければいけないのかな、と思います。

もしR-1ぐらんぷりが1回戦から決勝まで、劇場で開催し、スポンサーもなく、観客も全て「お笑い好き」の人だけで構成されていたら、ただただネタが面白くてウケた人が勝ち上がっていくんじゃないのかな。

審査員は真剣に審査をしていると思います。エントリーする芸人さんの意気込みもわかっています。適当だったり私情のみで審査していたらコンテスト自体が存続していかないでしょう。ただ、審査にしがらみがあるのも事実です。「面白い」だけで予選通過させてあげられない苦悩を感じ、ある種板挟みを感じながら審査をしているのだと思いますよ。

 

そんなことで、ネタをする芸人さんも審査員も真剣、落とされちゃったら嘆くし、嘆く場所が公共の場ならいろんな意見も出る。そんなお話で、誰が悪いわけでもなく、

キートンさん、今後のご活躍を期待しております!

という僕の結論でした。

おしまい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です